【11月23日 AFP】英国と旧植民地などの53か国からなる英連邦(Commonwealth)の外相会議は22日、パキスタンの加盟資格を停止した。処分は象徴的な意味が大きいが、外交的に孤立することに加え、合わせて経済制裁が実施されることが多い。

■パキスタンに科せられる処分

 英連邦の加盟資格停止でパキスタンに科せられる処分は、以下の通り。

・英連邦が世界各地で開催する会議への出席の全面禁止。今月23日に東アフリカのウガンダの首都カンパラ(Kampala)で開幕する首脳会議にも処分は適用される。

・「技術的支援」の停止。技術的支援とは、英連邦加盟国が別の加盟国に代表団を派遣し、公的機関や政府の拡充に向けた支援を行うもの。

・英連邦が運営する政府関係者向けの研修プログラムや講習会への参加禁止。

・英連邦大会(Commonwealth Games)への出場停止。次回大会は2010年にインドで開催される。

■広範囲に及ぶ支援が満期で停止に

 パキスタンは1999年に現大統領のペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)陸軍参謀長が政権を掌握したクーデターで、加盟資格停止処分を受け、2004年に加盟復帰した経緯がある。

 加盟復帰以降、英連邦はパキスタンに対して、2005年の大地震における医療支援や、公共部門管理者の育成、公平な選挙報道のための規範作成などの面で支援を行ってきた。現在進行中の援助には、望ましい統治の在り方、官民連携しての社会基盤整備、持続可能な環境計画、遠隔地の子どもたちを対象としたインターネット接続の普及拡大などが含まれる。

 南アジア地域全体の支援に、英連邦は年間30万ポンド(約6700万円)を支出している。

 英連邦関係者によると、加盟資格停止処分を受けた国での技術的支援と開発計画が直ちに停止されることはないが、期限を迎えた支援計画の延長はされない。(c)AFP