【11月22日 AFP】22日、福田康夫(Yasuo Fukuda)首相と官邸で会談した小沢一郎(Ichiro Ozawa)民主党代表は、アフガニスタンで米軍が主導する多国籍軍への海上自衛隊の給油活動再開について、あらためて明確に反対した。

 同日朝、インド洋上で4か月にわたり給油活動を行っていた海上自衛隊の護衛艦「きりさめ」が長崎県の佐世保基地に帰港した。防衛省によれば、「きりさめ」とともに派遣されていた補給艦「ときわ」も23日には帰港する。

 福田首相は22日、米国訪問とシンガポールでの東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)首脳会議から帰国して早々の数時間後、野党側への働きかけを開始した。首相は、ASEANに先立つ訪米でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領に、海自派遣の再開について取り組むと明言した。

 党首会談を終えた小沢氏は、新テロ対策特別措置法案の会期内成立へ向けて首相から「『何とか頼む』と何度も言われた」ことを明かした。インド洋上への海自派遣再開に関する協議の提案も首相からあったが、拒否したと述べた。

 また、議論は国会の場で行うのが民主党の方針だと述べた上で、国際的なテロ対策にいかに自衛隊が貢献すべきかについて、同党と与党では根本的に見解が異なると言明した。

 小沢氏が福田氏の協力要請を断ったことで、民主党が第一党となった参議員では、延長国会の会期が終了する12月15日までに法案を可決することは困難とみられる。

 小沢氏は、参院で十分審議するためには時間が足りないと指摘した上で、7月の参院選挙後の国会空転の責任は自民党にあると非難し、「自民党は7月の参院選の結果を把握できていないようだ」と批判した。(c)AFP/Miwa Suzuki