【11月19日 AFP】(一部更新)東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)関連の首脳会議などのためシンガポールに向かった福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は、20日に予定されている中国の温家宝(Wen Jiabao)首相との会談で、北朝鮮やミャンマー問題について意見交換することを19日、当局が明らかにした。福田首相は21日、ミャンマーのテイン・セイン(Thein Sein)首相とも会談する。

 これに先立ち福田首相は9月の就任以来初めての外国訪問で、ホワイトハウスを訪問。日米関係を最重視する姿勢を示していた。

 16日にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領と共同記者会見した福田首相は「積極的なアジア外交は、翻って日米同盟のさらなる強化につながるという確信」があるとし、シンガポールで開催されるASEAN関連の首脳会議の前に「ワシントンを訪問して、ブッシュ大統領と協議したのはこうした考えに基づくものだ」と述べた。

 首脳会談で北朝鮮とミャンマー問題を話し合うかを記者団に尋ねられた中国代表団の1人は、両首脳は両国の関係に影響を及ぼす話題を広く話し合うとし、「会談の一部が周辺地域の問題に充てられている」ことを明らかにした。また来月下旬に予定されている福田首相の訪中の日程についても話し合われる見通し。

 安部元首相在任時より懸案だった東シナ海のガス田開発問題の交渉も再検討する。

 21日のテイン・セイン(Thein Sein)ミャンマー首相との会談では、ヤンゴンで発生した日本人ジャーナリスト殺害事件の「全ぼう」解明を要求するとともに、軍事政権と民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんとの対話を支持する日本政府の姿勢を改めて示す。

 日本政府代表団の1人は同日、外国人記者団に対し、会談の内容について正確な予測はできないとした上で、これまでの会談では、日本政府は同国の情勢に対する懸念を示し民主化を進めるよう求めており、日本人ジャーナリスト長井健司(Kenji Nagai)さん殺害事件についても抗議していると説明した。しかし同国政府からの説明は得られておらず、日本政府はミャンマーとの高官レベルの会談すべてでこれらの問題を提起していることを明らかにした。

 シンガポールで開かれる東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)加盟国10か国の首脳会議では、ミャンマー軍政による反政府デモの武力鎮圧の問題を抱えている。日本とミャンマーは引き続き行われる16か国による東アジア首脳会議(East Asia Summit)に出席する。(c)AFP