【11月19日 AFP】英国の情報活動について政府に助言する立場の人物が、自分のウェブサイトで自らの個人情報を詳しく公開していたことが16日発覚し、問題になっている。

 騒ぎの中心人物アレックス・アラン(Alex Allan)氏(56)は15日、英首相府によって合同情報委員会(Joint Intelligence CommitteeJIC)議長に任命された。JICは英国の情報収集活動について閣僚に助言する機関。過去にはイラク開戦理由に関するJIC報告が操作されたとされる疑惑をめぐって脚光を浴びた。これまでの議長は非常に目立たない存在を通すのが常だった。

 ところがアラン氏は『アレックスとケイティのホームページ(Alex and Katie's Home Page)』と題したウェブサイトで自宅の住所や妻の携帯電話番号まで公開。さらに、米国のバンド「グレイトフル・デッド(Grateful Dead)」の熱烈なファンであることを明かし、アフロヘアにペイズリー柄のネクタイ姿でギターをかき鳴らす1969年の自分の写真を掲載している。

 また、1980年代の鉄道ストの際には、英人気コメディーシリーズ『空飛ぶモンティ・パイソン(Monty Python's Flying Circus)』さながらに、ピンストライプスーツに山高帽をかぶり、議事堂を背景にテムズ川(River Thames)をウインドサーフィンに乗って通勤する姿を捕らえた写真も。

 これについて英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は、サイトに個人情報と写真が掲載されているのは「非常に深刻な問題」だという治安担当高官のコメントを載せた。

「アラン氏はテロリストの標的であり、このような情報を公開するなど極めて軽率だ。異動させる必要があるかもしれない」とこの高官は述べている。

 アラン氏の広報は同紙に対するコメントを避けたが、個人情報は削除すると語った。(c)AFP