【11月18日 AFP】結成40年を迎えた東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)の首脳会議などが今週、シンガポールで開催される。反軍政デモの武力鎮圧で国際的な批判を受けたミャンマーへの対応が協議されるほか、域内の最高規範「ASEAN憲章」の調印、2015年までの自由貿易地域創設に向けた計画が協議される見通しだ。

 首脳会議では、約5億7000万人が住む域内の2015年までの自由貿易化の詳細計画を承認する見通し。しかし、シンガポールなどの富裕国とラオス、ミャンマーなどの新興国との域内格差のほか、航空などの主幹産業の自由化に難色が示されていることなど障壁が多く、実現は非常に難しいとみられている。

 首脳会議では、当初は冷戦さなかの反共同盟として設立されたASEANを、欧州連合(EU)のような組織に転換することを目指し、「ASEAN憲章」にも調印する。

 しかし、最優先議題はミャンマー問題だ。ミャンマーが一連の武力行使についての責任を取らなければ、人権と民主化の促進を意味するASEAN憲章の意味はないとの見方も出されている。

 シンガポールのジョージ・ヨー(George Yeo)外相は、東南アジアの首脳らは19日に「重大な」会議を開き、そこで、ミャンマーのテイン・セイン(Thein Sein)首相に、僧侶ら主導の反軍政デモに対する軍政の武力鎮圧について説明を求めると述べた。

 国連(UN)特使のイブラヒム・ガンバリ(Ibrahim Gambari)国連事務総長特別顧問は週半ばにシンガポールに入り、ASEAN首脳のほか、中国、インドなどミャンマーの主要同盟国など6か国の首脳に対し報告を行う。

 シンガポールは世界で最も治安が良い都市の1つとして知られているが、首脳会議中は2500人の警官隊が配備される。自動小銃や散弾銃で武装したグルカ分隊が18日、首脳会議の主要会場となるショッピング街オーチャードロード近くのシャングリラホテル(Shangri-La hotel)へ続く道を警護している。(c)AFP/Susan Stumme