【11月17日 AFP】セルビア南部のコソボ自治州で17日、同州独立の行方を占う州議会選挙(120議席)が始まった。人口の大多数を占めるアルバニア系住民は独立を要求しているが、少数派のセルビア系住民はこれに激しく抵抗している。

 ラジオ・コソバ(Radio Kosova)によると、投票は午前7時に州都プリシュティナ(Pristina)を始め、州内約2350か所に設けられた投票所で受け付けが開始された。12時間後の午後7時に締め切られる。有権者総数は150万人。

 今回の州議会選と地方選に先立ち、セルビア政府がコソボの10万人のセルビア人に投票のボイコットを呼び掛けたことから、緊張が高まっている。

 北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganizationNATO)主導のコソボ自治州国際治安部隊(KFOR)は、数百人を増派し1万6000人の部隊を強化した。
 
 特にコソボ北部のミトロビツァ(Mitrovica)は、イバル(Ivar)川を隔ててアルバニア系居住区とセルビア系居住区に分断されており火種となる恐れのあることから、特に警備が強化されている。
 
 1998-1999年のコソボ紛争以降、同地を暫定統治してきた国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は、ミトロビツァでセルビア系住民が投票所封鎖を図るのではないかと懸念している。

 UNMIKと欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)の選挙監視団は、有権者が投票を妨害された場合に備え、トラック荷台に設置された「移動投票所」を投入する体制を取っている。

 警備のためKFOR増援部隊としてドイツ軍530人が16日に着任したほか、国外から派遣された2000人を含む警察官約9000人が動員される。さらに欧州会議(Council of Europe)の選挙監視員約150人と現地監視員2万5000人が、選挙違反の監視にあたる。(c)AFP/David Vujanovic