【11月16日 AFP】(写真追加)2008年米大統領選の民主党最有力候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員は15日、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で行われた民主党候補の討論会で、国家安全保障は米国の外交方針である人権擁護に優先するとの見解を示した。

 パキスタン情勢をめぐる討論で、外交政策における人権擁護の対外推進よりも自国の安全保障を重視するのかとの質問に答えたもので、クリントン議員は「まったくその通り。米大統領の第一義務は、米国の防衛だ」と述べる一方、「安全保障重視により他の国益を除外するものではない」とも強調した。

 一方、クリントン候補を追撃する民主党候補のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は、2つの概念は必ずしも対立するものではないと反論した。

 今回の討論会は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が退任した後の民主主義政策の方向性や、米外交政策における海外の政治改革推進と自国の安全保障のバランスの問題という新たな争点を浮上させた。(c)AFP