【11月16日 AFP】フィリピン政府と反政府勢力モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation FrontMILF)は15日、クアラルンプール(Kuala Lumpur)で2日間にわたり行った協議で、MILFがミンダナオ(Mindanao)島で「祖先代々の土地」として主張する領域について合意に至った。各当局が明らかにした。

 同政府とMILFは2001年に停戦し、和平交渉を開始したが、MILFへ移譲される領域の範囲に関して合意に至らず、大きな障害となっていた。今回の合意によって、2008年の和平条約締結への期待も浮上している。

 両者は、今回合意に至った新たな領域の範囲について明らかにしなかったが、マレーシア当局によると、現在の自治区より拡大される見通しだという。問題となっているミンダナオ島の土地は、16世紀後半にフィリピンがスペインの植民地となった際、正式に国有化され共同使用されていた農地だった。

 フィリピン政府の交渉責任者Rodolfo Garcia氏は、「ミンダナオ島では30年以上も問題が続いていることから、政府側が譲歩した形となった。相手側が譲歩する見込みはないため、政府側が妥当と思える範囲で譲歩した」と明らかにした。

 Garcia氏によると、今回の合意には、2008年8月までの合意が期待される最終和平合意に向け、そのほかの事項も盛り込まれる見通しだという。

 両者の協議を主催したマレーシア政府によると、12月に再度、和平交渉の予備協議が行われ、2008年早々にも正式な交渉に入る予定だという。

 最終和平合意には、治安、復興、および「祖先の土地」の3分野について盛り込まれる予定。両者はこれまでの協議で、すでに治安と復興については合意していた。(c)AFP/Romen Bose