【11月16日 AFP】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は15日、ガザ地区(Gaza Strip)の住民に対し、6月に同地区の支配権を掌握したイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)を追放するよう求めた。

 アッバス議長は、ヨルダン川西岸(West Bank)ラマラ(Ramallah)の自治政府議長府からテレビ演説を行い、「われわれは武力によってガザ地区の支配権を掌握し、人々を苦しめ悲劇に追いやるこの集団(ハマス)を取り除かなければならない」と訴えた。この演説は、パレスチナ国家樹立宣言の発表から19年を記念して行われたもの。

 ハマスは6月中旬、1週間におよぶ激しい戦闘の末、アッバス議長率いるファタハ(Fatah)の治安部隊をガザ地区から追放。その結果、ハマスが多数を占めていた連立政権は崩壊し、ヨルダン川西岸に新政府が設立された。

 両派の派閥闘争は現在も続いており、パレスチナ人も、ハマスが支配するガザ地区とファタハが統治するヨルダン川西岸に2分されたままとなっている。

 アッバス議長はまた、12日に行われた故ヤセル・アラファト(Yasser Arafat)元議長の没後3周年を記念して行われた追悼集会で、ハマス管理下の警察が群衆に向け発砲した事件について、「冷血極まりない無法集団による犯罪行為」として非難した。(c)AFP/Nasser Abu Bakr