【11月14日 AFP】日中両国間の懸案事項となっている東シナ海(East China Sea)のガス田開発問題で、日中両政府による局長級協議が14日、都内で開かれたが、合意には至らなかった。

 アジアの2大経済大国で、ともに大量のエネルギーを輸入している日本と中国は、同海域における境界線をめぐって2004年から11回にわたって協議を重ねてきた。

 両国は、日中の中間線にまたがる海域での共同開発にむけた具体的な合意を年内に得ることを目指していたが、その可能性は小さくなった。

 日本側代表団を率いる外務省の佐々江賢一郎(Kenichiro Sasae)アジア大洋州局長は、「われわれは率直かつ真剣に協議したが、合意には達しなかった」と説明したが、合意に向けて最善を尽くすと述べた。
 
 外務省高官によると、月内に北京(Beijing)で再び協議を行うことを日本から提案したという。

「日中間の主張には、まだ相違点があり、厳しい現状にあるのは事実だが、引き続き協議を継続することで中国側とも一致している」(同高官)

 またこの外務省高官によれば、シンガポールで来週開かれる東南アジア諸国連合地域フォーラム(ASEAN Regional ForumARF)期間中に開かれる福田康夫(Yasuo Fukuda)首相と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相との会談でガス田問題が取り上げられると見通しだという。(c)AFP/Harumi Ozawa