【11月14日 AFP】ドイツのフランツ・ミュンテフェリング(Franz Muentefering)副首相兼労働社会相は13日、一身上の都合により辞意を表明した。労働社会省が明らかにした。ミュンテフェリング氏は、左右両派からなる「大連立」を維持する上で重要な人物だった。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党(SPD)との「大連立」は、発足2年が過ぎ、連立内で不協和音が出始めているが、ミュンテフェリング副首相の辞任により、緊張がさらに高まる可能性がある。

 副首相の後任には、フランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)外相が就任する見通し。一方、SPD筋によると、同党のOlaf Scholz元幹事長が、労働社会相に就く可能性が高いという。

 首相職を目指す意思のないことが知られているミュンテフェリング副首相とは対照的にシュタインマイヤー外相は、2009年の総選挙でメルケル首相の対抗馬となるのではないかといわれている。

 シュタインマイヤー外相は最近、メルケル首相が中国とロシアの人権侵害を公然と批判したことについて、両国との関係を難しくさせ、「逆効果を招く」として指摘している。(c)AFP/Deborah Cole