【11月13日 AFP】チリの首都サンティアゴ(Santiago)で開催されたイベロ・アメリカ首脳会議(Ibero-American summit)の席上でスペインの政治家を「ファシストだ」とののしり、フアン・カルロス1世(Juan Carlos I)スペイン国王から「黙れ」と一喝されたベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領が12日、首都カラカス(Caracas)に帰着後会見し、「国王の声は聞こえなかった」とコメントした。

 チャベス大統領は空港で記者団に対し、「国王は運が良かった。もし国王の言葉がわたしに聞こえていたら、何を言い返していたかわかったもんじゃない」と語った。

 さらに、南米先住民の血をひくチャベス大統領は、カルロス国王の発言をかつてのスペイン王国による植民地支配になぞらえて、「500年前に南米先住民を迫害したときと同様に、先住民の発言権を再び封じるつもりか」と国王にかみついた。

 チャベス大統領は10日のイベロ・アメリカ会議の席で、スペインのホセ・マリア・アスナール(Jose-Maria Aznar)前首相を「ファシスト」となじる発言を連発。暴言に耐えかねたカルロス1世国王は「いい加減黙ったらどうだ(Why don't you just shut up?)」と激怒し会場を途中退出した。

 これについてスペイン国内メディアは、国王の態度を一斉に称賛している。(c)AFP