【11月11日 AFP】北朝鮮が核兵器開発を目的としたウラン濃縮を行っていないとする「証拠」を北朝鮮政府が提示していると、9日付のワシントン・ポスト(Washington Post)紙の電子版が伝えた。

 同紙は匿名の米国および韓国政府高官の話として、それらの証拠は米諜報機関が結論付けた北朝鮮の核兵器開発計画の存在を覆すものだとし、またある韓国政府高官は、「真相は今解明されつつある。北朝鮮はウラン濃縮計画を意図していたわけではないことを証明しようとしている」と報じている。

 北朝鮮がこのことを証明することができれば、米諜報機関およびブッシュ政権への信頼は失墜することとなるであろう、と同紙は指摘する。

 北朝鮮が核兵器開発を目的として大規模なウラン濃縮を計画している、と米諜報機関が最初に結論付けたのは2002年。2002年11月の記者会見でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は、「我々は、(北朝鮮が)核兵器開発を目的としてウラン濃縮を行っていることを確信した」と述べていた。

■経済制裁の解除望む北朝鮮

 ワシントン・ポストはまた、すでに北朝鮮政府は米政府の専門家に対して施設や文書等を公開しており、年内に予定している核開発計画の射程を明らかにする宣言の準備を進めていると報じている。

 北朝鮮政府高官によると、北朝鮮は、同宣言と同時に米国が経済制裁を解除することを望んでいるという。(c)AFP