【11月8日 AFP】 国連特使としてミャンマーを訪問中のイブラヒム・ガンバリ(Ibrahim Gambari)国連事務総長特別顧問と民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏は8日、ヤンゴン(Yangon)で会談した。

 軍政筋がAFPに語ったところによると、両氏はヤンゴン市内の政府のゲストハウスで面会したが、会談の詳細は現時点では明らかにされていない。

 スー・チー氏との会談を終えたガンバリ氏は、そのまま空港に向かいシンガポールに向けて出発した。一方、目撃者情報によると、スー・チー氏は軍事政府の車両で自宅に戻ったという。スー・チー氏は、ミャンマーに帰国してからの18年のうち12年間、自宅で軟禁下に置かれている。

 スー・チー氏との会談に先立ち、ガンバリ氏はミャンマー滞在中、首都ネピドー(Naypyidaw)でスー・チー氏が率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)のメンバーらとも面会している。

 しかし、軍事政権に民主化推進を強く求めるというガンバリ氏の主要目的については、成果が得られていない。

 6日のチョー・サン(Kyaw Hsan)情報相との会談で、ガンバリ氏は、スー・チー氏を含めすべての政治犯の釈放を求めた。しかし、チョー・サン情報相は、まずスー・チー氏が軍事政権への制裁を国際社会に呼び掛けることを止めるのが先決だとして、譲らなかった。

 7日の国営紙「ミャンマーの新しい灯(New Light of Myanmar)」報道によると、チョー・サン情報相は「政府は和解に向けた努力を続けており、スー・チー氏側も相応の対応をすべきだ」とスー・チー氏に伝えるようガンバリ氏に求めたという。
 
 また、ガンバリ氏が希望していた軍政トップのタン・シュエ(Than Shwe)国家平和発展評議会(SPDC)議長との会談は実現せず、9月末に仏教僧侶らを中心として発生した大規模な抗議行動を、軍政が武力で鎮圧して以来、2度目となるガンバリ氏のミャンマー訪問は実りの少ないものに終わった。(c)AFP