【11月9日 AFP】親米路線を強めているニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領(52)は訪米中の7日、上下両院の合同議会で行った演説で米文化を称賛し、米国人を大いに喜ばせた。

 ジョン・ウェイン(John Wayne)、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)――。サルコジ大統領は、これらの米著名人を例に挙げ、自身と同世代のフランス人はハリウッド文化に大きく影響を受けたと語った。

「わたしと同世代のフランス人は、一度も米国を訪れたことがなくても、あなた方と同じ夢や想像力をハリウッドを通して分かち合ってきました」。大統領が演説でこう述べると、数回にもわたるスタンディングオベーションで歓迎された。

 また、米国の文学・映画・音楽などを通じて、「どのような困難や逆境にさらされても、米国はさらに強くなってまい進する」ことを学び、強い感銘を受けたと語った。さらに、米国の一番の強みは「モラル」と「精神」だと指摘、「米国を世界の模範としたのはマーティン・ルーサー・キング牧師(Martin Luther King Jr.)だ」と話した。

 2003年のイラク侵攻に反対したジャック・シラク(Jacques Chirac)前大統領により、仏米関係は冷え切っていた。しかし、「Sarko The American(米国人サルコジ)」とやゆされるサルコジ大統領は、二国間の関係を修繕する構えを見せている。

 6日にホワイトハウスで行われた晩さん会で、サルコジ大統領は「記憶に残る方法で、米国人の心を再征服しに来た」と語った。議会で行った今回の演説で熱烈な歓迎を受けたことを考えれば、同大統領の米国征服も遠い日の話ではないかもしれない。(c)AFP