【11月1日 AFP】トルコ政府はクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers’ PartyPKK)」および「関係者」を対象とする制裁措置を承認した。内閣報道官を兼任するジェミル・チチェキ(Cemil Cicek)副首相が10月31日、明らかにした。

 チチェキ副首相は、PKKおよび「関係者」に対し軍事、政治、外交、経済的措置を一斉に発動する政策が承認されたと発表。「関係者」とは、PKKを「支援および保護」する人物を指すという。

 トルコ政府はこれまで、イラクのクルド人自治政府がPKKを自治区領内に保護していると非難している。

 これまでの報道によると、制裁措置には、ハブール(Habur)の国境ゲートを経由する貿易の制限や、イラク北部への電力供給制限が含まれるもよう。

 イラクはトルコにとって重要なマーケットであり、貿易黒字を生む数少ない国のひとつでもある。公式統計によると2007年1-8月の対イラク輸出総額は17億ドル(約1960億円)、2006年の対イラク輸出総額は25億ドル(約2880億円)にのぼり、建設資材、食料品、日用品、家電などを輸出している。

 建国記念日を迎えた10月29日、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相はイラク・クルド人自治区のマスード・バルザニ(Massud Barzani)議長に対し、PKKを容認すれば損失を抱えることになると警告した。バルザニ議長らの行動は「テロ組織を保護しているに過ぎない」と非難。「テロ組織がトルコ領内に侵入した場合、わが国は国際法に基づいてあらゆる措置をとる」と言明した。(c)AFP