【10月25日 AFP】次期オーストラリア首相の呼び声高い野党・労働党(Australian Labor PartyALP)のケビン・ラッド(Kevin Rudd)党首が耳あかを食べている映像が、動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿された。動画は20万回以上再生される大ヒットを記録しているが、同国では大きな議論を巻き起こしている。

■11月総選挙で打撃となる恐れ

 ラッド党首は11月24日の総選挙に向けた世論調査では他候補に大きく差をつけて支持を集めているが、ニュースウェブサイトのnews.com.auは、この映像が「どんな失策よりも(ラッド氏の)選挙戦にダメージとなる可能性がある」と指摘している。

 問題の動画では、ラッド氏は議会で答弁を行う野党議員の後ろに座り、答弁のあいだ、退屈そうな様子でまわりを見渡し、人さし指を耳にいれ何度かひねった後に指をくわえてかむしぐさをするところが映っている。座席の場所から同氏が野党党首になる2003年より前だと推察される。

■国家指導者としての資質問う声も

 米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙のコメンテーターEmil Steiner氏は、この「胸が悪くなる」ような映像についてこう語る。

「いつも食べているのかたまたまなのか、問題はそういったことではない。カメラに囲まれているにもかかわらずこれほど油断している人物が国家の最高職責につくことについて、国民は自問自答するべきだろう」

■投稿者の間では「影響ない」との意見も

 ユーチューブ上には、与党のジョン・ハワード(John Howard)現首相はこの動画を選挙広告に使うべきという意見や、ハワード派による陰謀だという批判など、投稿が殺到している。あるユーザーは「8年前に撮影されたものが選挙の1か月前に出てくるなんて」と非難の声を投稿。

 別のユーザーも、今回の失態で選挙結果が変わることはないだろうと予測する。「ものすごく気持ち悪いし、誰に投票するかは決めてないけど、候補者が悪い癖を持っているからといって支持する候補を変えるなどということはない」(c)AFP