【10月21日 AFP】ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元旧ソ連大統領は20日、ロシアにおける民主主義の腐敗根絶を掲げ、新たな政治活動団体「Union of Social-Democrats」の立ち上げを発表した。ウラジーミル・プーチン大統領(Vladimir Putin)政権に対抗するものではないという。

 同団体は、「自由な民主主義に基づく選択および政治的競争の可能性が制限される中、社会民主主義者が一体となって自由と公正のために戦う」との声明を発表。

 ゴルバチョフ元大統領はモスクワ(Moscow)で行われた団体の設立総会で約200人の出席者に対し、「プーチン大統領が推し進める改革の取り組みに希望を」と述べた。

 この団体は政党ではないため、12月に行われる議会選挙には参加しない。

 ゴルバチョフ元大統領は最後の旧ソ連共産党書記長だが、在職中の政治的混乱と経済の崩壊により、ロシア国内ではあまり評価されていない。

 元大統領は、自身の改革路線の試みが失敗に終わり、1991年に旧ソ連が崩壊した後、ロシア社会民主党(Social-Democratic Party)の党首となったが、2003年の議会選挙では1議席も獲得できなかった。

 一方、欧米では数々の賞を受賞、また国際的なイベントでも頻繁に演説を行っている。ロシアでは自身が設立した「ゴルバチョフ財団(Gorbachev Foundation)」の理事として公に出ることのほうが多い。同財団は慈善活動や教育活動に対する経済支援を行っている。

 ゴルバチョフ元大統領は18日の演説で、プーチン大統領が大統領3選に向けて立候補するための憲法改正に着手しなかったことを称賛している。(c)AFP/Olga Nedbayeva