【10月19日 AFP】パキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相は19日、自身を狙ったとみられるカラチ(Karachi)の自爆攻撃について、故ジアウル・ハク(Zia ul-Haq)元大統領の支持者の犯行だとして非難した。仏誌「Paris-Match」とのインタビューのなかで語ったもの。

 故ハク元大統領は、陸軍参謀長だった1977年に無血クーデターで政権を掌握。ブット元首相の父、ズルフィカル・アリ・ブット(Zulfikar Ali Bhutto)元首相を処刑した人物。

■自爆攻撃後も「出国せず選挙戦う」

 また、ブット元首相が総裁をつとめるパキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)のSafdar Abbasi議員は同日、同首相がパキスタンから出国する意志はないことを明らかにした。

 ブット元首相の自宅で語ったもので、同元首相は「パキスタンに残留する決意を固めた」という。また、翌年1月の総選挙で民主主義を求める選挙戦の方針に変更はないと語った。

■遺体頭部を発見、自爆犯のものか

 19日のブット元首相帰国歓迎パレードの最中に発生した2件の自爆攻撃で、警察発表によれば、少なくとも133人が死亡した。ブット元首相は無事だった。また、2度目の爆発が起きる直前に、群衆に向かって手榴弾が投げ込まれたという。

 同事件について、パキスタン警察は、自爆犯のものとみられる遺体の頭部を発見したことを明らかにした。頭部はDNA鑑定のため鑑識班に送られた。

 一方、内務省高官の話によると、爆発物には金属片や釘などが詰められており、被害範囲を拡大させたという。(c)AFP