【10月18日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相(54)が18日、事実上の亡命生活を送っていたアラブ首長国連邦から8年ぶりに帰国した。カラチ(Karachi)の空港に降り立ち感激のあまり涙を流したブット氏を、多数の支持者が路上に繰り出し歓迎した。警察発表によると、その数は数十万人を超えるという。

 同氏の帰国をめぐっては、イスラム過激派から「帰国すれば暗殺する」との脅迫もでていた。

 ブット元首相は、首相在任中の汚職疑惑で訴追され、1999年に渡英し、そのまま国外で事実上の亡命生活を送っていた。

 しかし、大統領選を前に支持基盤を固めたいペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は、ブット氏が総裁を務めるパキスタン人民党(Pakistan People’s PartyPPP)による選挙協力を条件に、ブット元首相への訴追取り下げを提案し、両者が合意。今回の帰国に至った。

 ブット氏は、1986年にも亡命先から帰国したことがあるが、当時と比較した感想を記者から問われ、「当時より私も年齢を重ね、20年間で多くを学んだ」と応える一方で、「より良いパキスタンを築くための独裁政治や過激派との戦いはまだ続いている」と強い口調で語った。(c)AFP/Carole Landry and Danny Kemp