【10月18日 AFP】ベネズエラ議会は15日、ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領による憲法改正案について、既に承認していた33条項に加え、さらに25条項を改正することを議決した。この大規模な憲法改正により、チャベス大統領の多選が可能となり、同国は市場経済から一層遠ざかることになる。

 新たに改正される25条項については、16日から審議を開始し、12月2日に国民投票を行う。同国議会は、2005年の地方選挙で野党側がボイコットしたため、大統領支持派が全議席を占めている。

 大統領就任から8年を経て、今回の憲法改正で、チャベス大統領が2期目の2005年から提言していた「21世紀の社会主義」体制が完成をみる。

 新たな改正案で問題視されているのは、大統領自身が宣言する非常事態下での大統領の権力強化案で、憲法で保証されている権利や訴訟手続の保留などが含まれる。

 また、大統領の再選制限を撤廃し任期を延長する案や、中央銀行の独立性を廃止し外貨準備金を大統領の管轄下に置く案のほか、「愛国的、反植民地主義的」として軍を再編する案などがある。

 当局は、この憲法改正に対する抗議活動を行っていた学生グループを議会の建物から排除した。学生グループのリーダーJon Goicoechea氏は「国民に知らせずに25条項を改正することは、ベネズエラ国民に対するクーデターだ」と怒りをあらわにして語った。(c)AFP