【10月16日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領とチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(Dalai Lama)14世との会談を前に、チベット自治区の張慶黎(Zhang Qingli)共産党委書記は16日、これを「内政干渉」として強く反発した。北京(Beijing)で開催中の共産党第17回全国代表大会(党大会)で、両者の会談についてのコメントを求められ語った。

 張書記は「自国を認めることもせず、分裂を目論む(ダライ・ラマのような)人物を一部の国が歓迎し、敬意を表していることを非常に遺憾に思う。ダライ・ラマの言動は宗教指導者の域を超えている。彼は政治的な人物だ」と語り、「中国はこの内政干渉を不満に思っており、憤慨している」と強調した。

 ブッシュ大統領はダライ・ラマ14世と、2001年1月以来3度目となる会談を16日に予定している。17日には、米議会がダライ・ラマに「議会名誉黄金勲章」を授与する授賞式も行われる。

 中国は1950年に、チベット「解放」のために人民解放軍を派兵した。1959年にチベット蜂起が鎮圧されインドに亡命したダライ・ラマは、以来インド北部ダラムサラ(Dharamsala)でチベット亡命政府を率いている。

 ダライ・ラマ自身の度重なる否定にもかかわらず、中国政府はダライ・ラマをチベット独立を目論む政治亡命者と見ている。(c)AFP