【10月13日 AFP】5年に1度の中国共産党(Communist Party)全国代表大会(党大会)が15日から開幕する。17回目を数える今回の大会では、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席(64)が権力をどれだけ集中できるかが注目されている。

 複数の党最高幹部の引退や降格がささやかれる一方で、新幹部が胡国家主席の後継者候補として新星のごとく党指導部に抜擢される可能性もとりだたされる。また、基本政策の計画見直しについての詳細は現在まで明らかになっていない。

 党大会の会場となる北京(Beijing)では、反体制派ら数十人が身柄を拘束、あるいは自宅軟禁されるなどして緊張が高まっている。

 共産党大会では人民大会堂(Great Hall of the People)に2000人以上の党員代表が集まり、今後5年間の活動方針が投票で決められる。大会は非公開。

■一層の権力集中めざす胡国家主席

 胡国家主席にとって、今大会での最大の課題は、目標とする「和諧(調和)社会」を構築するために前任者である江沢民(Jiang Zemin)前国家主席の影響を排除して権力の集中を進めることだ。

 同主席による権力掌握にとって、党指導部の最高幹部とされる9人で構成される政治局常務委員の人事が試金石となる。

 胡主席と温家宝(Wen Jiabao)首相(65)の留任は確実視される一方、他の常務委員、とりわけ江沢民前主席に近かったと目される委員については様々な憶測がささやかれている。

 次回2012年の共産党大会で胡主席の後継者として誰が有力候補になり得るかを予想し、そして次期主席を占う上でも、常務委員の人事は注目されている。

 常務委員昇格への最有力候補と見られているのは、胡主席と太いパイプを持つ李克強(Li Keqiang)遼寧省書記(52)。

 上海市トップの習近平(Xi Jinping)市党委員会書記(54)の昇格も取りざたされている。同氏は父親が元副首相を務めたことなどによる抜群の家系と知名度で、上海市トップまで上りつめている。

■高度成長のゆがみの是正掲げる

 国営新華社通信(Xinhua news agency)は12日、大会では党規約の改正も討議されると伝えた。詳細は明らかでないが、胡主席の指導理念である「科学的発展観」の促進が盛り込まれるとみられている。

 これは過去30年間に成し遂げた歴史的経済成長によって生まれた多くのひずみを修正すること、すなわち江前主席が掲げた早過ぎる経済成長を調節することを目指すものと広く解釈されている。

 都市と農村の所得格差の是正および環境保護の強化が、「科学的発展観」の2大骨子だという。(c)AFP