【10月10日 AFP】米国に拠点を置く国際人権監視団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は9日、韓国政府による北朝鮮へのコメ支援が、北朝鮮政府職員の不正や適切な監視体制の欠如から、国民に行き届いていない実態を明らかにした。

 同団体はAFPに対し、コメ支援の輸送や配給担当者らがコメを流用して得た金を着服したり、わいろに利用したりして、最も困窮している人々にはほとんど行き届いていないと説明。

 また、北朝鮮国外でインタビューを受けた十数人の同国国民は、韓国政府が同国に対し大規模なコメ支援を行っていることは知っているが、自身は配給を受けておらず、また配給を受けたという人も知らないという。

 この調査結果は、過去18か月間に北朝鮮人40人以上から受けた報告に基づくもの。

 韓国政府は1990年代半ばから、北朝鮮に食糧支援を行っており、2006年7月の同国のミサイル実験により一時支援が中断されたが、今年6月、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の合意に基づき同国が核施設の停止・封鎖を履行したことから再開された。(c)AFP