【10月9日 AFP】ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は9日、ロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と初の本格的な会談を行う。サルコジ大統領は、ロシアに対し国際問題を「複雑化させている」と非難しているが、今回の会談では仏露の率直で新しい関係構築を目指すようだ。

 5月の仏大統領選では、サルコジ大統領は米国寄りの姿勢を明確にする一方、ロシアに対しては政府による人権侵害を糾弾し、天然ガスや石油資源をかさに欧州諸国に圧力をかけているとの非難声明を出していた。

 ただ、6月に独ハイリゲンダム(Hiligendamm)で開催された主要8か国(G8)首脳会議時に会談を行った際は、外交上の緊張についてはあえて触れず、両国関係の重要性を強調するに留まっている。

 それでも依然として対立の火種は多い。主な対立点として、セルビア共和国のコソボ(Kosovo)州の独立問題が挙げられる。フランスが独立を支持しているのに対し、ロシアは強く反対している。

 イラン問題に関しても見解が一致していない。米欧が核開発問題に関してイラン政府に新たな制裁を求めているのに対し、ロシアは消極的な姿勢を示している。

 サルコジ大統領はロシア訪問に先立ち、政府系ロシア新聞(Rossiyskaya Gazeta)とのインタビューに応じ、イラン政府に対する制裁措置を求める意向をあらためて示しながらも、外交的解決を探る姿勢を示した。一方、ロシア政府は今回の首脳会談で、国際問題に対するフランスの誤解を解きたいとの見解を示している。

 経済分野では、特に航空機分野などで両国間の関係は緊密になっており、今回の訪問でも航空機の新規購入計画などが話し合われる予定。(c)AFP