【10月8日 AFP】インド洋での海上自衛隊の給油活動継続に反対する民主党の小沢一郎(Ichiro Ozawa)代表は、9日発売の月刊誌「世界」に寄稿した論文で、アフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)など国連決議に基づく活動への自衛隊派遣に前向きな姿勢を示した。

 同論文は、小沢氏自身が海上自衛隊の給油活動継続に反対する理由を説明したもの。この問題をめぐっては与野党で攻防が続いている。

 小沢氏は論文の中で、「国連の活動に積極的に参加することは、たとえ結果的に武力の行使を含むものでもむしろ憲法の理念に合致する」と述べている。産経新聞の引用によると、アフガニスタンで北大西洋条約機構(NATO)が主導するISAFや、スーダンでの国連平和維持活動(PKO)へは「政権を取れば、参加を実現したい」と明言している。

 ISAFは国連決議に基づき、米国主導の多国籍軍とは別にNATO主導の指揮系統でアフガニスタンに展開している。

 一方で民主党は依然、米国主導の多国籍軍を支援するインド洋上への海自派遣延長に関する政府の提案には反対する構えだ。

 7月の参議院選挙で過半数を占めた民主党に対し、政府は7日に示した妥協案で、戦闘部隊に対する給油も停止し、海自の活動をインド洋上の警備船舶の支援に限定する用意があると譲歩した。11月1日に期限切れを迎えるテロ対策特別措置法に代わる新法案が成立しない限り、海自のインド洋上での活動は中断する。

 福田康夫(Yasuo Fukuda)首相はこれまで、海自による給油活動の継続を命題とした安倍前首相の主張を引き継ぎ、世界第2位の経済大国として、日本は世界の安定に貢献しなければならないと誓ってきた。

 小沢氏はこれに対し日本は「米国の戦争」に参加すべきでないと主張すると同時に民主党は、インド洋で海自が提供した燃料がイラク戦争での米軍活動に転用された疑いがあるとして国会で追及していた。

 第2次世界大戦以後、平和憲法を掲げる日本は、最近ではイラクに自衛隊を派遣したほか、これまでカンボジアや東ティモールにおける国連平和維持活動などに自衛隊を参加させてきた。2005年には国連によるスーダンのダルフール(Darfur)紛争の停戦監視活動への派遣も検討されたが見送られた。(c)AFP