【10月4日 AFP】(一部更新、写真追加)平壌(Pyongyang)で行われていた南北首脳会談最終日の4日、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記は会談の成果を盛り込んだ共同宣言に署名した。宣言の中で両首脳は朝鮮半島の非核化を訴え、休戦状態にある朝鮮戦争を終結させ恒久的和平の実現に向けて全力を傾けることを確認した。

 約60年前の朝鮮戦争での南北分断以来、両国の首脳会談は今回で2回目。今回の会談は、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議が終了した直後に行われた。

 両首脳は共同宣言に署名した後、握手を交わし、笑みを浮かべながら乾杯した。

 両首脳は貿易や両国間の往来、政治的交流などを推進することで合意した。

■朝鮮戦争の終結宣言目指す会合開催へ

 共同宣言では、朝鮮戦争の終結宣言に向け、「3から4か国による会合開催」の文言が盛り込まれた。

 報道によると、共同宣言は「南北は現在の休戦状態を終結させ、恒久的和平を構築するという共通認識を持っている」としている。

 両国は「イデオロギーや体制の違いにかかわらず互いを尊重、信頼するよう、南北関係を大きく転換する」という。

 さらに、6か国協議での北朝鮮の核問題をめぐる合意が速やかに履行されるよう、ともに努力することで合意した。

■相互不信の解消へ

 核問題をめぐっては特に新しい動きはなかったものの、金総書記が非核化に向けて努力することを盛り込んだ宣言に自ら署名したことは大きな意味を持つ。

 盧大統領はこれまで一貫して北朝鮮に対して「太陽政策」を展開、2006年のミサイルおよび核実験にもかかわらず、両国間の不信の除去を訴えてきた。

 共同宣言は11月の首相会談をはじめとする会合の実施についても提唱している。首脳会談をこれまでより頻繁に実施することでも合意した。

 両首脳は軍事対立の終結に向け努力することを約束したほか、1999年と2002年に銃撃戦が発生した黄海の北方限界線付近を「平和地帯」として宣言。同地帯の詳細について協議するため、両国国防相が11月に会談するという。

 経済協力の拡大、平壌南西部の南浦(Nampo)での造船所の共同建設、観光促進のためソウルと北朝鮮の景勝地、白頭山(Mount Paektu)を結ぶ直行便の就航、南北を結ぶ貨物鉄道の開通にも合意した。(c)AFP/Shaun Tandon