【9月26日 AFP】(一部更新、写真追加)ミャンマーの最大都市ヤンゴン(Yangon)で、軍事政権に対する抗議デモに参加していた僧侶や学生など数千人に対し、治安部隊および警察が武力鎮圧へ乗り出した。集会に対し催涙弾などが発射されたほか、警察が群衆を殴打、僧侶を含む数十人が身柄を拘束された。

 この日、ヤンゴン市内にある同国で最も重要とされる仏塔「シュエダゴン・パゴダ(Shwedagon Pagoda)」付近では、僧侶らが同パゴダでの集会禁止令を拒否し、集会を行った。その後、治安部隊は参加者数百人を警棒で殴打、数十人の身柄を拘束した。拘束された中には著名な高僧も含まれるという。

 抗議の群集が散会した後、周辺一体は有刺鉄線で封鎖された。現在シュエダゴン・パゴダ内には、約500人の僧侶が残留しているとみられている。

 一方、ヤンゴン中心部ではスーレ・パゴダ(Sule Pagoda)へ向かっていた僧侶1000人の行進と、沿道で見守る市民数千人を解散させようと、治安部隊と警察が空砲を発砲、催涙弾を発射した。

 当時、 同パゴダ周辺では治安部隊と警察が厳重警戒で配備されていた。

 行進が同パゴダに近づくにつれ、沿道の人々が僧侶らに対し激励を送り始め、また治安部隊に向かって「おまえたちは馬鹿だ!」と繰り返し叫びだすと、当局側が空に向かって威嚇発砲する事態に発展したという。目撃者の話によると、催涙弾も使用された。

 軍事政権による厳しい監視と弾圧により、ミャンマーで大規模な反政府デモが起こることは極めて異例。1988年の民主化要求ゼネスト以降、過去20年以上で大規模な抗議行動は初めてだ。行動を開始したのが国民的敬意が払われている仏僧たちだった。

このため当局は当初、取り締まりを控えていたが、前日26日、軍事政権側がデモ隊に対し「参加者には法的措置を行使する」と警告を発した。また、ヤンゴンと同国第2の都市マンダレー(Mandalay)には同日から夜間外出禁止令が発令された。

 ミャンマー国内では、ここ数日間、複数の都市で抗議活動が行われているが、ヤンゴン以外における治安部隊の取り締まり状況については明らかになっていない。(c)AFP