【9月25日 AFP】国連(UN)総会への出席のため訪米中のイランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は24日、コロンビア大学(Columbia University)で講演を行った。同大統領は、「米国が示唆する対イラン戦争はプロパガンダだ」とはねつけるとともに、ホロコーストを否定している、テロを支援しているなどの非難に対して反論した。

 発表当初から物議を醸した同大統領のコロンビア大学での講演は、冒頭、同大のリー・ボーリンジャー(Lee Bollinger)学長との間で、緊張した応酬が交わされた。学長は「悪と対峙するには、まずわれわれの敵を知る必要がある」と招待の理由を説明。これに対して、大統領は「わたしを侮辱しないでくれたまえ」と述べる場面が見られた。

 同大統領は、イランがイラクのシーア派(Shiite)に武器を供給し、米軍のかく乱とイラクの不安定化を狙っているとの指摘について、「イランはイラクの安定化を願っている」とこうした事実の無いことを主張。

 さらに、イランには核を「民生用に」開発する権利があり、イランの核計画は国際原子力機関(IAEA)の査察を受けて合法的・平和的に行われていると改めて強調し、「イランは平和を愛する国。核兵器は人類を破滅させる」と、核兵器を開発する意図がないことを示した。

 また、旧ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺を否定、「イスラエルは地図から抹消されるべき」だとの発言を行ってきた同大統領は、ホロコーストについて、「生存者といつでも会う用意がある」とも述べた。

 同大統領は以前、ワシントンD.C.のナショナル・プレスクラブ(National Press Club)に対し「ホロスコープはヨーロッパで起こったことだ。そのために、なぜパレスチナの人民が故郷から追放されなければならないのか」との抗議を示していた。

 話題がイランの文化についてに変わると、大統領は時には笑顔を見せながら説明。「イランにはホモセクシャルが1人もいない」との発言については、学生から盛大なやじが飛んだ。(c)AFP/James Hossack