【9月24日 AFP】約5週間前から異例の反軍事政権デモが広がるミャンマーで、これまでに身柄拘束されたデモ参加者は218人が、当局による尋問中に殴打されたり、体的・精神的拷問を受けていると人権監視団体が24日、糾弾した。

「活動家らは拘束中に殴られているだけではなく、極端な精神的・身体的拷問下に置かれている」とタイに拠点を置く国際人権監視団体「ビルマ政治囚支援協会(Assistance Association for Political Prisoners (Burma))」のBo Kyi代表は非難した。

 身柄拘束された参加者の大半は、軍事政権によって17年間自宅軟禁されている民主化活動家アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)さん率いる野党・国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)の党員や、1988年の当時の学生らによる民主化運動時代の活動家らで、8月19日に抗議行動を開始したメンバーだという。

 また、Bo Kyi代表によると、1988年8月8日に発生した「8888民主化運動(8888 Uprising)」の先鋒に立ったミンコーナイン(Min Ko Naing)氏ら当時の学生指導者らは、今回の抗議行動で拘束されて以来、外部との接触を一切絶たれているという。「当局は彼らに関して何も発表していないし、誰にも彼らへの面会を許可していない」

 Bo Kyi氏自身元政治囚で、現在はミャンマーの収監施設を監視するグループを運営している。今回拘束されている者のうち46人はヤンゴン(Yango)の警察施設で、劣悪な環境の下に収監されているという。「シャワーを浴びることも許されず、十分な食料も与えられていない。身柄を押さえられた時にけがをした者もいるが、薬も与えられていない」という。

 ミャンマーには約1100人の政治囚がいるとみられている。最も著名な政治囚がノーベル平和賞受賞者でもあるアウンサンスーチーさんだ。過去18年間のうち12年間のほとんどは拘束下にあり、現在はヤンゴンで自宅軟禁されている。

 ミャンマーの刑務所では嫌がらせや拷問は日常茶飯事だと、世界の人権団体では推測している。赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)は、2005年12月以降、いかなる囚人に対する面会訪問も許可されていないという。 (c)AFP