【9月22日 AFP】ダルフール(Darfur)問題を話し合う国連(United NationsUN)とアフリカ連合(African UnionAU)主導の関係国閣僚級会議が21日、ニューヨーク(New York)の国連本部で開かれ、同地域のすべての武装勢力に対し、10月27日にリビアの首都トリポリ(Tripoli)で開催されるスーダン政府との和平会議への出席を求めることで一致した。 

 この日の会議は、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長とアフリカ連合委員会(African Union Commission)のアルファ・ウマル・コナレ(Alpha Oumar Konare)委員長による共同議長のもと、30近くの国や地域などの閣僚と高官らが一同に会した。

 会議の後に発表された共同声明は、「リビアでの和平会議への支持を表明する。各陣営がこの和平会議を紛争解決への機会と捉え、交渉が包括的で決定的なものとなることを強く期待する」と述べている。

■スーダンの武装勢力をけん制

 スーダンのラム・アコル(Lam Akol)外相はこの閣僚級会議の成果を強調した上で、「リビア会議に不参加あるいは、和平プロセスを妨害しようとする勢力は懲罰的な措置に直面する」と述べた。

 ジョン・ネグロポンテ(John Negroponte)米国務副長官も会議終了後、「主要な武装勢力が代表者の出席を見合わせた場合、その対価を支払うことになる。われわれは制裁発動を準備している。制裁は(スーダン)政府に対しても武装勢力に対しても同様に科される」と述べ、歩調を合わせる発言をした。

 潘国連事務総長は9月上旬にスーダン、チャド、およびリビアを歴訪し、リビアでの和平会議開催への支持を関係各国から取り付けている。

 一方で、ダルフールの主要な武装勢力・スーダン解放運動(Sudan Liberation MovementSLM)のAhmed Abdel Shafi司令官は、ダルフールでの停戦が先に実施されるべきだとして、リビア会議の延期を求めている。

 リビア・トリポリの和平会議は、2006年5月にスーダン政府とSLM双方が調印したダルフール和平協定(Darfur peace agreementDPA)を、他の武力勢力にも拡大することが目的となる。

■国連・AU合同部隊の実現呼びかける

国連とアフリカ連合はこの日の国連での会議でまた、装備がぜい弱で資金に乏しい6000人規模のアフリカ連合軍に代わり、国連およびアフリカ連合による2万6000人規模の合同部隊の速やかな派遣実現への支持を訴えた。共同声明はこの派遣について、「圧倒的規模での取り組みを繰り返し示すことで、その使命を効果的に果たし、ダルフールに速やかに好影響を与える」と述べている。

潘国連事務総長によると、アフリカ諸国軍が参加するアフリカ連合軍は、ナイジェリア軍将軍が司令官を勤め、主要な地上部隊を形成する一方で、他地域からの参加国は後方支援と航空輸送の分野での特殊部隊が中心になるとしている。

国連とアフリカ連合はまた、スーダン政府による継続的な合同部隊への支持が非常に重要であるとし、部隊のキャンプ設置用地の提供、大型輸送機の夜間を含む発着と井戸掘削などの許可、および部隊による行動の自由の確約を求めた。

さらに両者は、ダルフールでの紛争継続、ダルフール和平協定に調印していない武装勢力の分裂、悪化を続ける同地域での人道的状況について懸念を表明した。(c)AFP/Gerard Aziakou