【9月21日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は20日、ホワイトハウス(White House)で記者会見した。要旨は以下のとおり。

■イラン核問題

「常々述べているが、イラン政府に対し、軍事・民生目的にかかわらず、現在開発している核開発計画を放棄するよう平和裏に説得できると考えている。これはいかなる外交においても基本方針であるべきだ。われわれは同盟国と協力し、イラン政府に対し孤立化、つまり経済的孤立化または経済制裁よりも良い方法があると常にメッセージを送っている」と語った。

 米、英、仏、中、露の国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国5か国とドイツは21日、イラン政府に対する新しい措置について協議する予定。

■米国経済の行方を楽観視

「わが国の経済状況については楽観視している。米国経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は良好で、インフレ率も低い。労働市場は安定しており、全国の失業率は4.6%だ。企業収益も好調で輸出は増加している。ただし、当然、住宅市場や金融市場が不安定になる場合もある」との見解を示した。

■北朝鮮核問題

「北朝鮮が核兵器および核兵器開発放棄の約束を履行することを期待している。また核拡散を止めるよう望む」と述べたが、北朝鮮がシリアの核兵器開発を支援しているという報道に対しては、直接言及しなかった。

■イスラエルのシリア空爆

 イスラエルが最近シリア領空内に侵入し空爆を実施したとの報道についてはコメントを控えた。

■米民間軍事会社「ブラックウオーター」問題

 バグダッドで発生した米民間軍事会社ブラックウオーター(Blackwater)の雇兵による発砲で民間人が死亡したとされる事件で、犠牲者に対し哀悼の意を示し、「われわれの目的は無実の人々の命を守ることだ」と強調。現在行っている調査によって「まず事件の真相を明らかにしたい」考えを示した。

■ナスダック/ボース・ドバイ

 アラブ首長国連邦政府が所有する2つの証券取引所の持ち株会社ボース・ドバイ(Borse Dubai)とナスダック証券取引所(Nasdaq)を運営するナスダック・ストック・マーケット(NASDAQ Stock Market)の資本・業務提携について、「国家安全保障上の影響がないか、よく検討していく」との方針を明らかにした。

■イラン大統領のグラウンド・ゼロ訪問

 イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が、2001年の9.11同時多発テロの跡地「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)」の訪問をニューヨーク市警当局から拒否されたことを受け、「テロ支援国家の大統領に現場を歩き回ってほしくない気持ちは理解できる」と述べた。

■イラク版マンデラの不在

 イラクにおける和解進展に言及し、「イラクにはネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)南アフリカ前大統領のような人物がいない。なぜならサダム・フセイン(Saddam Hussein)がすべてのマンデラを殺したからだ」と述べた。(c)AFP