【9月21日 AFP】ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が欧州連合(European UnionEU)が同大統領に科している渡航禁止制裁を無視し、12月に開催されるEU・アフリカ首脳会議に出席する場合、会議をボイコットする意向を表明した。20日付の新聞が報じた。

 英政府はムガベ政権のメンバーに対する渡航禁止制裁の拡大も提案する見通しで、ブラウン首相は民放ITVテレビのインタビューで「追加制裁についても検討している」ことを明らかにした。

 現在、制裁対象となっているのは130人ほどだが、同首相は「現在の対象者の家族など、制裁対象者を今後拡大する可能性がある」と述べた。制裁理由については、ジンバブエの現状を「嫌悪する」欧州の反応を反映したものとした。

 ブラウン首相はまた、次週開催される国連安全保障理事会(UN Security Council)で、ジンバブエへの人道支援ミッション派遣を提案する予定であることも明らかにした。

 英国はジンバブエのかつての宗主国で、ムガベ大統領はジンバブエの経済危機を英政府が原因として非難している。

 一方、英政府は自国がジンバブエへの第2位の支援国で毎年最高4000万ポンド(約92億円)の経済支援を行っており、ほかにエイズ(HIV/AIDS)撲滅計画への支援も行っていると主張。

 また、世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)を通じて800万ポンド(約18億4000万円)の追加支援も行っており、さらに南アフリカなどのアフリカ諸国と連携してジンバブエの経済危機の解決、および同国が将来「自由な民主主義のもとで繁栄を享受できるよう」に取り組んでいると強調した。(c)AFP