【9月20日 AFP】ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は19日、公共部門の合理化を進め、公務員の定数削減や民営化を推進する計画を発表した。同国の公共部門では、国内の労働者の5人に1人にあたる520万人が働く。サルコジ大統領は18日にも、公務員の一部が加入する年金制度の見直しを表明しており、労組の反発は避けられない見通しだ。

 サルコジ大統領は、同国西部ナント(Nantes)で学生向けに行った講演の中で、定年を迎えた公務員の補充を半数に抑えるとした大統領選挙公約の履行を約束。同時に公共部門の改革を訴え、「公共部門の規模を縮小することで、待遇や将来性を改善する」と述べた。

 5月に就任したサルコジ大統領は、2008年に定年を迎える公務員2万2700人を補充しない方針を示している。仏公共部門における人員削減数では過去6年で最多となる。

■年金改革に鉄道労組はストで対抗

 一方、仏鉄道系労働組合は19日、前日に大統領が表明した特別年金制度改革に反対し、「特別年金制度および運輸と雇用状況の今後について行動し影響を与えるため」、10月17日にストライキを決行すると発表した。

 共産党系「労働総同盟(CGT)」によると、すでに参加を決定している労組は5つで、その他の組合は現在参加を検討中だという。

 サルコジ大統領就任以来初めての大規模ストライキになるとみられ、1995年に年金改革に反対して行われたストライキで仏交通機関がまひした事態に匹敵するものとなりそうだ。(c)AFP/Carole Landry