【9月14日 AFP】(一部更新)ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は13日、イラク政策に関するテレビ演説を行い、、2008年夏までにイラク駐留米軍のうち2万1500人を削減すると表明した。一方、早期の完全撤退については否定し、イラクとの「長期的な」関係性を築くことを明言した。

■「撤退は成果があったから」

 ブッシュ大統領は、イラク駐留米軍のデビッド・ペトレアス(David Petraeus)司令官の限定的兵力削減案を支持するとして、「イラクで一定の成果を達成したため、駐留米軍の帰還が可能になった。さらに進展があれば、より多くの兵士の帰還が実現する」と述べた。

 ペトレアス司令官は、2007年のクリスマスまでに5700人を、2008年夏までに計2万1500人を削減することを提案しており、削減後のイラク駐留米軍は増派前の2006年12月の13万人規模に戻ることになる。

■任期終了後も米-イラク関係の継続を強調

 複数の世論調査結果によると、米国民の3人に2人はブッシュ大統領の政策に反対しており、野党民主党は完全撤退を主張している。

 こうした動きに対し、ブッシュ大統領は「イラクでの勝利は今からでも可能」だと反論。2009年1月の任期終了後について、「ホワイトハウス(White House)を引き継ぐ者は、誰であろうと、この戦争をも引き受けることになる。命をかけて戦っている同盟軍を見捨てることはできない」と次期大統領に対して警告した。

 また、イラク政府について、国民融和政策の遅れに不満を示し、政治家・国民ともに一層の努力を要求する一方、「政権指導者らも、政権安定のためには政治、経済、安全保障の面から米国の支援が必要だということは理解している」と指摘。米国がイラクとの間に「長期的な関係」を築く必要があるとの認識を示した。

■イランとシリアを名指しで非難

 一方、イランとシリアに対しては、「(イラク)政府を弱体化させる活動は停止されなければならない」と述べ、干渉をやめるよう要請。イランの核開発について、「自由なイラクはイランの破壊的意思を阻止するだろう」などと述べた。(c)AFP/Olivier Knox