【9月10日 AFP】(一部更新)アフガニスタンのアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相(47)は8日、首都カブール(Kabul)でAFPの取材に応じ、「わが国は世界最強の軍に守られ、イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)も弱体化してきているものの、国民は希望を失いつつある」と語った。

 ソ連の侵攻およびタリバンの占領と戦った北部同盟(Northern Alliance)の指導者、アフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相が暗殺されて6周年を迎える9日を前に、マスード氏の側近だったアブドラ元外相は、国民と政府の距離は「広がりつつある」と語り、「この国は、マスード氏のような強力なリーダーシップに欠けている」との見解を示した。

 また「治安悪化、政府の無策ぶり、開発戦略の不在が、国民を幻滅させている」と指摘。タリバン政権崩壊後の民主化プロセスについて、「国民は当初は支持していたが、今や希望を失わせる以外の何物でもない」と断言した。

 前年に更迭されたアブドラ元外相は現在、非営利団体「マスード基金(Massoud Foundation)」の事務局長として、国内の様々な支援プロジェクトへの資金をつのっている。

 マスード元国防相は2001年9月9日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーによる同国初の自爆テロにより死亡した。この2日後に9.11米同時多発テロが発生。これを機に米軍はタリバンの掃討作戦を開始し、タリバン政権が崩壊した。しかしタリバンは徐々に勢力を盛り返し、2002年からは国際支援部隊も常駐して掃討作戦を展開している。

 北部同盟の政権参加を拒んでいるとして非難されているハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は9日、マスード元国防相の追悼式典に出席し、アブドラ元外相を「近いうちに」政権に復帰させると明言した。(c)AFP