【9月9日 AFP】シドニー(Sydney)で開催されていたアジア太平洋経済協力会(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)首脳会議は9日、停滞している貿易自由化交渉の打開や温暖化対策への取り組みなどを求める声明を採択して、2日間の日程を終えた。

 今回で15回目を数えるAPEC首脳会議は、6日間の外交・通商閣僚会議、高級官僚会議の後、加盟21か国の首脳が一堂に会しさまざまな問題について話し合った。

 オーストラリアのジョン・ハワード(John Howard)首相は各国首脳が見守るなか、閉幕に際したテレビ演説で「今回の会議で地域経済圏としてのAPECの主要な役割を再確認する成果を得ることができ、APECが大いに活性化されたと信じている。とりわけ、地球温暖化対策への取り組みへの前進と、APEC設立の第一の目的だった自由貿易促進の重要性について再確認ができたことに満足している」と述べた。

 また2011年のAPECは米国で、2012年はロシアで開催されることも今回新たに決まった。2008年はペルーで開催され、以後2009年はシンガポール、2010年は日本で開催されることが既に決まっている。

 APECには経済大国が加盟していることで、加盟国の国内総生産(GDP)合計は実に全世界合計の56%を占め、貿易規模も世界の半分近くに達する。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、イラク問題進展についての報告書をまとめるため、首脳会議の閉幕を待たず1日目の会議終了後に帰国の途についた。(c)AFP