【9月7日 AFP】アジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)の首脳会談を翌日に控えたシドニー(Sydney)で6日、人気テレビ番組の俳優らがロケ中、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者のふん装でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の投宿先ホテルに近づこうとし、警備中の狙撃手にあわや撃たれる騒ぎとなった。警察当局が7日、明らかにした。

 オーストラリア放送協会(ABC)の人気風刺番組『The Chaser’s War on Everything』のロケ中だった俳優らは、カナダ国旗を掲げた偽の政府高官車列でブッシュ大統領投宿先のインターコンチネタル・ホテル(InterContinental Hotel)に接近。1人がビンラディンのふん装をしていたために騒動となり、11人が逮捕された。

 ニューサウスウェールズ州(New South Wales)警察のAndrew Scipione本部長は、狙撃チームを配備した場所でそのようなロケを行うなど危険極まりない、言語道断だと怒りをあらわにした。シドニーではAPEC開催期間中、市中心部の大部分が立ち入り禁止となっており、各所に狙撃チームが配備されている。

 逮捕された11人は、APEC開催期間中の警察の権限を強化する特別法に従い、立ち入り禁止区域に許可なく立ち入った罪に問われたが、すでに釈放されているという。

 警察は7日、11人について新たな罪状が増える可能性を示す一方で、警備のもろさが露呈したとの指摘を否定。偽の車列が検問所の1つを簡単に通過したことについては、警備は何重にも敷いているので問題はないとした。

 番組プロデューサーは6日午後、警察から市内中心部への進入許可を受けており、禁止区域に侵入したとは思わなかったとの声明を発表した。(c)AFP