【9月6日 AFP】アジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)の首脳会議を週末に控えた6日、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席と米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が、APEC開催地のオーストラリア・シドニー(Sydney)で密室会談を行った。
 
 ブッシュ大統領の滞在するホテルで1時間に及んだ会談では、通商問題から地球温暖化対策まで幅広い内容について話し合われたとみられる。同大統領は前日、北朝鮮やイランの核開発問題、中国の巨額の対米貿易黒字などについての懸念を中国側に伝えるとの意向を表明していた。

 世界第1位の経済大国アメリカと、新興経済大国として急成長する中国は、将来的に国際社会において覇権を争う立場になりうる。ブッシュ大統領も「両国の関係は複雑だ」と認めつつ、APEC首脳会議を前に、両国間で論争を招きやすい話題についてもためらわずに提起すると述べていた。

 米国側は中国が軍事面、経済面で影響力を増している点に警戒心を抱くと同時に、米国内では相次ぐリコール問題などで中国産の農作物や工業製品などの安全性について国民世論に懸念が広がっている。(c)AFP/Kevin McElderry