【9月6日 AFP】シドニー(Sydney)で開かれているアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)で、今週末に予定されている首脳会議で採択予定の地球温暖化問題の共同声明をめぐる調整が難航している。外務省高官が明らかにした。

 オーストラリアのアレグザンダー・ダウナー(Alexander Downer)外相が主催した朝食会に集まった加盟21か国・地域の外相は、「声明の細部についてそれぞれが主張を譲らず、ダウナー豪外相は数値目標には拘束力はないと強調したが、声明に数値目標を盛り込むことに対して反対する声があった」(同高官)

 同高官は「各国間の意見の差はまだ大きい」と指摘した。

 オーストラリア政府は今回の会議で地球温暖化問題を焦点の1つにしており、米国の支持を受け、地球温暖化の国際条約である京都議定書(Kyoto Protocol)に替わる新しいアプローチを提案している。

 同政府は、京都議定書では先進国にのみ温暖化ガス削減目標を課し、中国やインドといった発展途上国を含めていない点を指摘。途上国にも協力を要請する新たな枠組みの必要性を説いた。

 今回のAPEC会議は、2012年に期限切れとなる京都議定書の次の枠組みを協議する国際会議の1つに数えられている。

 一方、途上国側は排出量削減目標を盛り込んだ米豪の提案に反対する姿勢を示しており、温暖化対策は国連(UN)主導で行われるべきだと主張している。国連主催の会議は12月にインドネシアのバリ(Bali)島で開催される予定。(c)AFP