APEC首脳会議を前に米豪首脳が会談
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【9月5日 AFP】(一部更新)米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領と、オーストラリアのジョン・ハワード(John Howard)首相は5日、今週末シドニー(Sydney)で開催されるアジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic Cooperation、APEC)の首脳会議を前に会談した。会談後の共同記者会見で、両首脳はイラクの情勢は十分な進展を見せており、近い将来において兵力を削減することも可能かもしれないという認識を示した。
ブッシュ大統領はまた、ミャンマーの軍事政権が路上での抗議活動に対する取り締まりを実施していることについて「アジアでこの種の暴君的な動きがあるのは許し難い」と述べ、同政権を非難している。
APEC会合を前に、シドニーでは異例の厳戒態勢が敷かれている。いつもはにぎやかな通りに人通りはなく、重装備の警官隊が警戒にあたるオフィス街には、上空を飛び回るヘリコプターの音が響いている。
両首脳の会談内容は、イラク問題、中東和平プロセス、イラン核開発、北朝鮮、貿易、気候変動など多岐にわたったが、主要な議題はイラク問題だった。
電撃訪問したイラクで将来的な兵力削減の可能性を示唆したブッシュ大統領は「まだ取り組むべき問題が残されている。だが、融和は進んでおり、わたしの見解では、米国やオーストラリアの安全のためには、イラクにとどまって同国民を支援することが重要だ」と語った。
一方、ブッシュ米大統領を支持したことで選挙を前に大きく人気を落としているハワード豪首相も、イラク駐留豪軍の規模を維持すると表明した。現在、約1500人の豪軍部隊がイラク戦争を支援する作戦に従事しており、その3分の1がイラクに駐留している。
■ミャンマーの活動家拘束、首脳会議で議題に
ブッシュ米大統領はまた、ミャンマーの軍事政権が行っている取り締まりについて、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領など、環太平洋の21か国・地域の指導者が出席する首脳会議で議論すると語った。
ブッシュ米大統領は「自由を求めて行進した人々が弾圧的な扱いを受けるのは許し難い。この種の人権侵害について、自由な社会で快適に生活しているわれわれが堂々と意見を述べることが必要だ」と語った。
ミャンマーでは、燃料価格の大幅値上げに抗議する活動家がデモを開始した8月19日以来、多数の活動家が拘束されている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によれば、拘束された活動家は150人以上にのぼるという。
■気候変動めぐる自身の姿勢を擁護
ブッシュ米大統領は、温室効果ガスの排出削減をめぐる京都議定書(Kyoto Protocol)を米国が批准していないことに対する非難は「不合理」だと述べ、気候変動に関する自身の姿勢を擁護した。
米政府は、合計で全世界の温室効果ガス排出量の90%を占める16か国を招集して今月中に会議を開催することを決定しているが、環境保護活動家の間では、米国が、義務を伴う京都議定書をなし崩しにして、代わりに新技術に基づき自主的措置を取り入れようとしているとの疑念が持ち上がっている。特に欧州の活動家の間では、このような見方が強い。
ブッシュ米大統領は「京都議定書を批准した特定の国々にとっては意味があるかもしれないが、米国にとっては道理にかなっていない。大勢の人々が、京都議定書は進むべき道ではないと考えている。だからわれわれは、別のアプローチを考え出したのだ」と語った。(c)AFP/ Olivier Knox
ブッシュ大統領はまた、ミャンマーの軍事政権が路上での抗議活動に対する取り締まりを実施していることについて「アジアでこの種の暴君的な動きがあるのは許し難い」と述べ、同政権を非難している。
APEC会合を前に、シドニーでは異例の厳戒態勢が敷かれている。いつもはにぎやかな通りに人通りはなく、重装備の警官隊が警戒にあたるオフィス街には、上空を飛び回るヘリコプターの音が響いている。
両首脳の会談内容は、イラク問題、中東和平プロセス、イラン核開発、北朝鮮、貿易、気候変動など多岐にわたったが、主要な議題はイラク問題だった。
電撃訪問したイラクで将来的な兵力削減の可能性を示唆したブッシュ大統領は「まだ取り組むべき問題が残されている。だが、融和は進んでおり、わたしの見解では、米国やオーストラリアの安全のためには、イラクにとどまって同国民を支援することが重要だ」と語った。
一方、ブッシュ米大統領を支持したことで選挙を前に大きく人気を落としているハワード豪首相も、イラク駐留豪軍の規模を維持すると表明した。現在、約1500人の豪軍部隊がイラク戦争を支援する作戦に従事しており、その3分の1がイラクに駐留している。
■ミャンマーの活動家拘束、首脳会議で議題に
ブッシュ米大統領はまた、ミャンマーの軍事政権が行っている取り締まりについて、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領など、環太平洋の21か国・地域の指導者が出席する首脳会議で議論すると語った。
ブッシュ米大統領は「自由を求めて行進した人々が弾圧的な扱いを受けるのは許し難い。この種の人権侵害について、自由な社会で快適に生活しているわれわれが堂々と意見を述べることが必要だ」と語った。
ミャンマーでは、燃料価格の大幅値上げに抗議する活動家がデモを開始した8月19日以来、多数の活動家が拘束されている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によれば、拘束された活動家は150人以上にのぼるという。
■気候変動めぐる自身の姿勢を擁護
ブッシュ米大統領は、温室効果ガスの排出削減をめぐる京都議定書(Kyoto Protocol)を米国が批准していないことに対する非難は「不合理」だと述べ、気候変動に関する自身の姿勢を擁護した。
米政府は、合計で全世界の温室効果ガス排出量の90%を占める16か国を招集して今月中に会議を開催することを決定しているが、環境保護活動家の間では、米国が、義務を伴う京都議定書をなし崩しにして、代わりに新技術に基づき自主的措置を取り入れようとしているとの疑念が持ち上がっている。特に欧州の活動家の間では、このような見方が強い。
ブッシュ米大統領は「京都議定書を批准した特定の国々にとっては意味があるかもしれないが、米国にとっては道理にかなっていない。大勢の人々が、京都議定書は進むべき道ではないと考えている。だからわれわれは、別のアプローチを考え出したのだ」と語った。(c)AFP/ Olivier Knox