【9月4日 AFP】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米首席代表クリストファー・ヒル(Christopher Hill)米国務次官補は4日、テロ支援国家指定を解除するためには、北朝鮮が非核化に向け一層努力することが必要だと述べた。

 北朝鮮の国営メディアは同日、前週末にジュネーブ(Geneva)で行われたヒル国務次官補と6か国協議北朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン、Kim Kye-Gwan)外務次官による米朝国交正常化作業部会で、米国が北朝鮮のテロ支援国家指定解除に合意したと報道した。

 これに対して、アジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic CooperationAPEC)の首脳会議が開催されるシドニー(Sydney)に到着したヒル国務次官補は記者団に、「テロ支援国家指定解除はしていない。解除は今後の非核化の進展にかかっている」と語った。

 ただ、米国が条件によっては北朝鮮のテロ支援国家指定解除に動く可能性があるかどうかは不透明だ。

 ヒル国務次官補は、米国は2月13日の6か国協議における非核化合意の一環として、北朝鮮のテロ支援国家指定解除を約束したと語る一方で、いつ、どのように行うかなどの詳細については言及しなかった。

■日本政府は拉致問題への配慮を訴え

 北朝鮮が米国によるテロ支援国家指定解除を模索する中、日本政府は4日、米国に対し、北朝鮮による日本人拉致問題の解決を妨げることがないよう求めた。

 与謝野馨(Kaoru Yosano)官房長官は記者会見で、拉致被害者の安全は政府にとって強い懸念事項かつ最優先事項であり、(米国は)できる限りこの問題に影響を与えることは避けてほしいとの意向を表明している。(c)AFP