【9月4日 AFP】4日付けの英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙は、中国人民解放軍が米国防総省のコンピューターをハッキングしたとされる事件について、有事の際に中国が同省のコンピューターネットワークを妨害する可能性への懸念が米政府内で高まっていると報じた。

 国防総省高官らが同紙に明らかにしたところによると、ハッカーは、中国人民解放軍に所属する人物にほぼ間違いないという。この人物は、同省へのハッキングを数か月試みたのち、6月に成功。これを受けて、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官らが使用するコンピューターシステムが停止する事態となった。同省はハッカーが攻撃を仕掛けた場所を特定したとも伝えられている。

 なお、この件について中国国防省および同外務省はコメントしていない。

 中国人民解放軍は、ドイツのベルリン(Berlin)にある首相府や外務省など政府機関のコンピューターもハッキングしたとされ、前週の中独首脳会談でもこの問題が取り上げられた。

 同紙は、米中両軍がコンピューター上でスパイ合戦を展開していると報じている。(c)AFP