【8月27日 AFP】3日間の日程で中国を公式訪問中のドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は27日、温家宝(Wen Jiabao)首相および胡錦濤(Hu Jintao)国家主席と会談した。メルケル首相は会談で、貿易・開発などの面で国際ルールを尊重するよう中国側に求めた。一方、温首相は中国脅威論を否定した。

 メルケル首相が中国を公式訪問するのは今回が初めて。会談では、世界3位および4位の経済大国である両国が、貿易協力関係の強化などについて協議した。

 このほかにもメルケル首相は、まん延する著作権侵害への対応、中国製輸出製品の質の向上、気候変動への取り組みなどの必要性といった課題について話し合った。これらの分野では、中国の対応への批判が出ている。

 胡国家主席との会談の冒頭、メルケル首相は中国にとっては微妙な人権問題についても協議する姿勢を示唆した。

 温首相はメルケル首相との会談後の記者会見で、中国は急速な経済発展の途上にあるが、ドイツをはじめとするすべての国々にとって脅威になることはないと断言した。

「中国は常に平和的に歩み、喜んで他国と協力する。他国に脅威を与えることは絶対にない」と述べた上で「『中国脅威論』など存在せず、安心するよう」呼びかけた。(c)AFP/Peter Harmsen