【8月27日 AFP】27日の自民党新三役人事で、幹事長に指名された麻生太郎(Taro Aso)氏(66)。自民党総裁選に2度出馬し敗れたが、小泉純一郎(Junichiro Koizumi)前政権で2005年から外相を務め、党内の地盤を固めた。幹事長就任で、「ポスト安倍」への足掛かりを得たことになる。

 吉田茂(Shigeru Yoshida)元首相を母方の祖父に持ち、夫人は鈴木善幸(Zenko Suzuki)元首相の娘、実妹は寬仁親王妃とエリートの家系。米カリフォルニアに留学し、30歳で生家の事業でアフリカ・シエラレオネに駐在、ダイヤモンド鉱山開発に携わった。1976年のモントリオール五輪ではクレー射撃の日本代表として出場するなど、その人生は多彩だ。

「まっすぐに的を撃つ」姿勢は政界でも健在で、その率直な物言いと保守的な見地で、たびたび物議を醸してきた。

 夏の参院選では、安倍首相の代わりに麻生氏の応援演説を希望する候補者も多かったが、「アルツハイマーの人でもわかる」と発言し、謝罪。過去にも、アジアの歴史問題をめぐる発言で近隣諸国の怒りを買ったり、「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにはない」と述べたこともある。

 一方、漫画などのポップカルチャーにも精通し、外相時代には「国際漫画賞」を創設した。

 今月1日にマニラで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大外相会議の夕食会では、ちょんまげを結った侍姿に仮装して登場、はやりの音楽に乗せたエクササイズダンスを披露して、参加者からの拍手喝さいを浴びるなど、親しみやすい側面も見せた。

 「タロウズブートキャンプ(Taro's Boot Camp)」(「ブートキャンプ」は米軍隊の新兵訓練プログラムの意)と名付けられたエクササイズダンスは、麻生氏が今まさに自民党で実行しようとしていることかもしれない。(c)AFP/Shaun Tandon