【8月25日 AFP】スーダン政府は23日、カナダと欧州委員会(European Commission)の外交官2人を国外追放した。国営スーダン通信(SUNA news agency)が伝えた。スーダン外務省の報道官によれば、追放は内政干渉にあたる活動を行ったためと説明しているが、欧米諸国との関係悪化が懸念される。

 米国政府は、スーダンの発表がダルフール(Darfur)で発生している大規模虐殺への国際社会の関与をそらす試みでないとの声明を発表。米国政府は、ダルフールでの大虐殺を「ジェノサイド」を表現している。

 追放された2人についてAli Karti国務相は、対立する勢力幹部と許されざる接触を試みたとし、「スーダンが国連や国際社会に対して従順であると考えている者に対して明確なメッセージを送る必要がある」と述べた。

 この件について欧州委員会の報道官は現在解決策を模索中であるとし、詳細については語らなかった。また、カナダ政府は追放の理由について説明を求めている。

 スーダン外務省は、今回の件でスーダン政府は欧州とカナダとの関係を悪化させないための努力を試みたとしているが、スーダン政府は、2006年10月にもジャン・プロンク(Jan Pronk)国連事務総長特使を国外追放するなど、これまでにも欧米諸国の外交官との関係を害する例がしばしばある。

 潘基文(バン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長は来月上旬に同国を訪問し、同国西部で展開する平和維持部隊の状況について議論する予定となっている。(c)AFP