【8月22日 AFP】日印両政府は22日、両国の経済連携協定(EPA)の年内締結へ向けて取り組むことで合意した。

 インドを訪問中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相と、同行している日本経団連の御手洗冨士夫(Fujio Mitarai)会長ら経済界代表は 、ニューデリー(New Delhi)で開かれた会議に出席し、インドの企業経営者らと協議した。

 フォーラムに出席したカマル・ナート(Kamal Nath)インド商工相は、「経済活動の中心は大西洋から、インド洋や南シナ海に移ってきた。インドと日本は協力して新たな経済構造の課題に対処する必要がある」と述べ、日印EPAの年度内締結に向けて努力する考えを表明した。

 日本政府は中国の台頭に対抗し、日本との政治、外交、貿易関係および文化交流の強化を目指すインドとの関係強化を進めたい意向。

 安倍首相は同日、インド国会で行った演説の中で、日本とインドの包括的なEPAが必要だと連携強化を訴えた。現在80億ドル(約9200億円)規模の両国の貿易額は、今後3年以内に倍以上の約200億ドル(約2兆3000億円)規模に引き上げられるとした。

 今回の訪問には日本の企業経営者200人が同行している。同日行われた首脳会談では、1000億ドル(約12兆円)を投じるニューデリー-ムンバイ間の輸送ルート建設など、日本の投資を見込むプロジェクトについても協議される予定。年率9%のインド経済の成長率を支えるためには、今後5年間で約3200億ドル(約37兆円)が必要と見込まれており、インドは日本からの支援に多大な期待を寄せている。

 経済産業省では、首相のインド訪問によってインドへの投資が加速されることを期待する。豊田正和(Masakazu Toyoda)経済産業審議官は、インドとの貿易および同国への投資を拡大するために日本政府が行うべきことは、EPA締結とデリー-ムンバイ輸送路への投資だとしている。(c)AFP