【8月17日 AFP】米政府は16日、今後10年間で300億ドル(約3兆4000億円)相当の軍事援助をイスラエルに対して実施する協定に署名した。軍事力援助により、イランとその同盟国をけん制する狙いがあるとみられる。

 署名に臨んだニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)米国務次官は、「米政府は、イスラエルが置かれている中東地域の危険な状況を理解している。核開発を進めるイランのほか、シリアやレバノンのイスラム教シーア(Shiite)派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)などの連携により、同地域では対立が起きている」と語り、その中にはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)も含まれていると付け加えた。

 イスラエルへの軍事援助は、7月30日にコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官が発表した、中東における米国の同盟国との軍事協定の一部。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やヒズボラ、敵対するイランとシリアに対抗する狙いがあるとみられる。

 また、これらの援助には、サウジアラビアに対する200億ドル(約2兆3000億円)の武器援助や、エジプトへの130億ドル(約1兆5000億円)、その他湾岸諸国に対する200億ドル(約2兆3000億円)相当の資金が含まれている。(c)AFP/Ron Bousso