【8月16日 AFP】米国、パキスタン両国は15日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)およびイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)の勢力拡大と、米国がパキスタン領内のアルカイダ系組織を空爆する意向を示している問題について、パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で高官協議を開催した。

 現地入りしたリチャード・バウチャー(Richard Boucher)米国務次官補(南アジア担当)は、到着直後にパキスタンのクルシード・メハムード・カスリ(Khursheed Mehmood Kasuri)外相と会談。バウチャー国務次官補はこの後、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領およびシャウカット・アジズ(Shaukat Aziz)首相とも会談を予定している。

 パキスタン外務省によると、カスリ外相はバウチャー国務次官補に対し、米国政府が最近の声明でパキスタン領内のアルカイダ系組織を空爆する可能性に言及したことについて懸念を表明した。

 カスリ外相は同時に、米国が一方的にパキスタンを空爆すれば、両国間の緊密な協力関係にとって「逆効果」になると伝えた。

 米国による空爆の可能性に対しては、ムシャラフ大統領とアジズ首相の両者が14日の建国60周年式典で、パキスタン政府として抗議する意思をあらためて表明していた。

 米国では、アフガニスタン国境に近いパキスタン領内の部族地域がアルカイダの潜伏場所になっているとする報告書を政府情報機関が提出。これを受けて、米政権に軍事行動を求める声が政界の一部から上がっていた。(c)AFP/Rana Jawad