【8月13日 AFP】米国のカール・ローブ(Karl Rove)大統領次席補佐官が8月末で辞任する意向を明らかにしたことについて、ホワイトハウス(White House)は13日、「大きな損失」との声明を発表した。

 辞任の意向は13日付けの「ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street)」紙上で報道された。

 ローブ次席補佐官は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)陣営の「ブレーン」として同大統領を2期目の当選に導いた立役者で「選挙の天才」として知られた。一方で、政権維持のために政界の裏工作も担ってきた。

 波乱含みの2期7年を通じてブッシュ大統領を支え続けたが、政権に対する疑惑をめぐる論争に巻き込まれることも多かった。また、国内で論争を呼んだブッシュ政権の決断には、ローブ氏が関係していたとされる。

 米同時多発テロ後の政府の対応や、イラクとアフガニスタンでの戦争、減税政策では保守色を強く打ち出し、拡大する国内キリスト教右派の影響力をブッシュ政権にとって有利に働くよう利用した。

 ホワイトハウスのRobert Saliterman報道官は「(ローブ次席補佐官の辞任は)言うまでもなく大きな損失だ」とのコメントを発表。同時に「優れた同僚であり、良き友人であり、明晰な頭脳の持ち主だった」と称賛した。

 また、辞任を決意したことについては「(ローブ氏本人に)夫人や子どものためにより多くの時間を割くべきだ、との確信が生まれたため」と説明した。(c)AFP